さいきんは配送会社のブラックっぷりやサービスなど、物流の問題が浮き上がってきていますね。
配送会社の問題は解決に向かっているけど・・・
ニュースで問題が取り上げられることも多くなり、配送会社側も対応をはじめました。
表に出ないと対応しないのか、というツッコミどころは置いておいて、配送会社側も問題を解決しようと努力している姿勢は評価できるのではないかと思っています。
某配送会社は本当に素晴らしい企業努力。
社内的にはいろいろ不満もあるでしょうが、外側から会社を見れば、配送地域やサービス内容など幅広く網羅。
お金の問題は別として、物流は任せろという強い意志が見えて、本当に素晴らしい企業努力だと日頃から感じていました。
いろんなニュースで勤務状態が露呈して、ちょっとガッカリはしましたが。今後、改善に向かうことを願っています。
送料無料は悪の根源
配送会社の問題は、問題が露呈することで改善に向かっているようですが、そんな配送会社とは別に、インターネットや店頭で商品を販売する側にもいろんな問題が隠れています。
その一番の問題は「送料無料」。
送料は、商品を購入して届けてもらう、配達してもらうためには必要なお金。
それなのに「送料無料」が世の中にあふれているのは何故なのか。
送料無料のしくみ
送料とは、配送料、つまり物を送るときに配達業者に払うお金。
東京から大阪まで荷物を届ける場合、荷物を預かってくれる店舗や東京から大阪まで運んでくれるトラック、配達店から家まで届けてくれる方々など、さまざまな人が関わっています。
これをタダで働いてくれる人なんて・・・いませんよね。
仕事だからこそ働いているわけで、好き好んでタダでやってくれる人なんていません。
送料無料とは、その送料が無料、タダ、0円ということ。
これは配送会社に支払うお金が0円というわけではありません。
インターネットや店頭で販売している商品を買ってもらうために販売店が送料分を負担しています。
つまり、送料無料の商品を買うと、販売店舗が送料分を値引きしてくれているということ。
「送料無料」=「送料分を値引きします」ですね。
たとえば「5000円以上で送料無料」とは、たくさん(具体的に5000円以上)買ってくれたらサービスしますよ!と同じこと。
よく考えると当たり前に感じるかもしれません。
しかし近年では、送料無料が当たり前な感覚になってきています。これはやっぱりアマゾンや楽天市場のせいかな。
送料無料と送料有料とでは、やはり送料無料、もしくは送料が安い方を選んでしまいます。
たとえば総額が3000円で送料500円かかるとして
「送料無料!3000円」と「2500円で送料500円」だと、どっちを選びますか?
これは・・・微妙。例えが悪いですね^^;
まぁ、でも感覚的に、送料無料の方がお得な気がしてしまうんですよ。
人間は「無料」という言葉に弱いですから。
これってアンカリング効果っていうんですかね?
送料は販売店との契約で値引きされている
送料無料は、送料分を販売店が負担しているもので、値引きの一種みたいなもの。
しかし、この送料分は各販売店によって違います。
配送会社側から提示している送料の値段にも基準はあります。
しかし、販売店によって契約内容が異なり、月にどれくらい荷物の出荷があるか等で、値引きされ、かなり安くおさえられているとか。
荷物が多くて超忙しいのに安くなるとか・・・販売店や消費者には嬉しいけど、配送業者側からしたらメリットはあるのか。
メリットは・・・他のライバル配送業者に大口を持っていかれないため、でしょうか。
配送業者は、お互い首を絞めあっているように見えるんですが・・・。
送料は販売店が儲けるための虎の子
これはわたしの勝手な推測。事実はわかりません。
販売店側は、配送会社に値引きしてもらっている分を儲けられます。
たとえば、配送会社との契約の価格が1件200円、購入者からもらう送料を1件300円とします。そうすると実質1件100円分が儲かります。
送料無料の商品の場合は、1件200円の値引きになります。
しかし、表向きの通常送料は300円なので、購入者側からすると300円値引きしてもらった感覚。
実質どっちにしても販売店にはメリットがあるわけで。
うーん、なんか変な感じ。
楽天市場やアマゾンは、送料無料が魅力。
「送料無料」と表示するために、送料は無料にして商品価格に実質の送料分をあらかじめ上乗せしていることも。
逆に、モール系に収める年貢を少なくするため、商品価格を安く送料を高くして、元を取ることもありますけどね。
販売店にとっての送料は、なんだか都合のいい抜け穴というか虎の子というか。
送料無料の悪い影響が露呈しつつある
今日見たニュース。氷山の一角でしょうけど。
大手百貨店で配送料の値上げするのにカルテル、つまりお互いに協議して値上げしたんじゃないかということ。
利用している宅配業者が同じで、同じタイミングで値上げをしたから、百貨店側も値上げをしただけかもしれませんが。
販売店側がサービスと思って送料無料にしたけど、元が取れなくなったから送料値上げしたというパターン。
送料無料を求めているのは購入者側。
値下げより送料が無料かどうかを気にしてしまう購入者。
購入者の意見をそのままサービスに適応させる販売店。
送料無料にするのはカンタンだけど、値上げは難しいから大変ですね。
購入者側、販売店、配送会社ともに、メリット・デメリットはあるけども
送料無料は、つかみどころがなく、思った以上に奥が深い。悪魔のささやきみたいなものじゃないかと、ときどき感じます。